2009年 09月 14日
松川ボックス
松川ボックスはこの数年、本や雑誌で何度も図面や写真を見続けた
住宅建築の一つでした。
この前も、建物の中庭をトレースをしたのですが、
お恥ずかしいことに、描ききることができませんでした。
何回描いても、描いてもこの建物のよさを表現できる絵にならず、
ペンを置いてしまった苦い経験を残したままになっています。
トレースもただ書き写すだけではないことを教えてくれた建物でも
ありましたので、1度は見てみたいと思っていたのですが、幸運なことにこの建物に行き着くことができました。
写真と、実物の建物のスケール感の違いはやっぱり足を運ばないとわからないですね。
なにより今回の建物探訪は住宅建築や事務所を見てまわることを
目的の一つとしていましたので、宮脇氏の松川ボックスをみられた事は本当に嬉しく、
また、宮脇氏の住宅を丁寧に作っていたということを肌で感じる事ができていい経験になった
と思います。最近の雑誌や町の建築をみているとあきらかに施主の立場よりも作品を
意識しているものが多いように感じます。ペーペーの私が言うのも生意気ですが、ペーペーだからこそ
もし自分がそこに住んだら・・・とかどんな人がこの建物に住むんだろうと考えてみると
違和感を感じることが多いです。
もちろん、作品をたくさん残すことも大事だと思いますが、一つの作品を丁寧につくっていたら、
何十年後も愛される建築をつくっていたら、その設計士は信用を得られるのではないでしょうか?
私は宮脇氏に会ったこともないですし、お亡くなりになられてから宮脇氏の作品に出会ったわけですが、
それでもパワーと住宅に対する思いは本や図面からも、実物の住宅からも何か感じるものがありました。
中庭のシンボルツリーも元気に育ち、色づいているのをみると、ここに住まれてる施主様の
満足感が伝わってくるようでした。
このような住宅をいつか作れるようになりたいと、改めて感じました。
その前に中断しているトレースもいつかは完成させたいです。そのためにも日々勉強、練習ですね。