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建築つづり 建築についての情報や日常での発見をつづります。

Renzo Piano・・・・・(position)


関西国際空港旅客ターミナルビル
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地震力と風圧、一番考慮すべき事項。
構造工学的見地の話しです。
感受する曖昧模糊な物。
これは、心の話しになります。
社会。
私達が属する世界です。
建築を創る時、これらの狭間を行き来します。

Renzo Piano:レンゾ ピアノは1937年生まれイタリアの建築家です。
日本での作品は
関西国際空港旅客ターミナルビル (1988年-1994年)
ハイヤ大橋          (熊本県、1989年-1996年)
メゾン・エルメス        (東京都、1998年-2001年)

直接見たのは、
関西国際空港、メゾン・エルメス、パリのポンピドゥーセンター

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ポンピドゥーセンター


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メゾン・エルメス(3年前の写真)

彼の作品は、軽やかさとコミカルでユニークな印象です。

古典的な(~およそ1850年)建築物から、
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近代的な建造物(エッフェル塔1889年)に、
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そして、
近代的な建築物(スイス学生会館 ル=コルビジェ※1 1932年)が登場。
(※1・・・近代建築3大巨匠の一人)

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注)この頃、ヴェルター グロピウス※2が「国際建築様式」と名付け、
垂直・水平、フラッシュサーフェイスな壁面、陸屋根、白っぽい彩色、
を特徴とする、世界共通様式なる考えを示しました。
今もなお、バウハウスデザインは自動車、生活必需品において
息づいています。
(※2・・・バウハウス校舎設計・バウハウス初代校長)

さらに、
高層ビル
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そして、
今式の建築物(MIKIMOTO Ginza2 伊東豊雄2005年)
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コンピューターによる構造解析のなせる技です。
150年ほどの間に、社会の様変わりと共に、
建築は大変貌を遂げました。

さて、関西国際空港旅客ターミナルビル。
Renzo Pianoの建築に触れると、人のために技術があることを
教えてくれます。
写真から見えてくるように、設計・施工上もハイテクであるにも関わらず、
主張してくるものは、ナチュラさやソフトさ。
これ見よがしな押し付けがましさはありせん。


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天井の間接照明の表情が絶妙です
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トラスの支点接合部
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支点の脚部
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ガラスのカーテンウォール
方立(マリオン)が美しい弓形のトラス形状になっています
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屋根のスカイラインの曲線が、旅立つ気分を盛り上がらせます
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彼の建築は、古典建築や長く続いた近代建築からの呪縛から
解き放たれたもののように感じます。

多くの古典建築・近代建築を模写・分析してみると、
近代建築さえも、古典建築のボキャボラリーの良き面を継承しています。
しかし、そのこと自体に苦悩する建築家が迷走することも多く、
建築の理念は行き場を失ったかのような時代に、
彗星のごとく出現したのが、Renzo Pianoです。

建築における仕事での立ち位置を考える時、
私は、関空に行きます。
凝り固まった思考をほぐすためです。

模倣
破壊
創造

私の繰り返し唱える言葉です。

久しぶりに関空に行き、
フランスへの「想像」をした、私の頭の中の映像です。
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次回はドイツにも行く予定をしていますが、
行ったことないので、映像が浮かびませんでした・・・・・・・。
Commented by komiti15 at 2012-11-30 21:46
建造物を見て専門的な境地から見る人にとって人のなせる技に魅了されるように我々素人にも漠然と偉大さを感じる物も有りますが、人が感じる物は心の方ですよね、開放感、癒し、異次元の世界、光と影そんなものを感じる時の様な気がしますね・・・
Commented by pinkyarc at 2012-12-01 22:19
⇒komiti15さん
コメントいつもありがとうございます。(^_^)
建築という実体を扱う上の難しさが、技術では解決できない
人の心です。意図的な操作は、ある部分の効用を満たす
ものになる場合もあるのですが、その弊害として、利己的、
社会からの欺瞞、独りよがりの芸術となっていまう危険を
はらんでいます。一人の純粋な人として、自然の光、風、
そして、何よりそれを感じる心を尊いものとして、心を
磨かねばと思います。
by pinkyarc | 2012-11-28 20:34 | 建築 | Comments(2)